みんなの食卓にごはんが運ばれ「いただきます」と手を合わせるまでには、
たくさんの人の「美味しいごはんに!」という思いがリレーされています。
どのような人々がどのように関わっているのか見てみましょう。

稲作農家

米農家

田んぼで稲を育ててお米をつくります。
春の田植えから秋の収穫まで、たくさんの工程を経て黄金の実りを育みます。

田んぼの準備から収穫

Process from Preparation of
Rice Field to Harvest

1

Making Seedling

苗づくり

 土を入れた苗づくり専用の底の浅い箱に、よく洗い水になじませた種籾をまきます。ハウスなどでつくる30℃程度の暗い環境で、水をたっぷりと与えながら発芽を待ちます。芽が出たら弱い光を当てながら緑化を促し、徐々に当てる光を強くしていきます。稲の出来の半分は苗づくりで決まるという意味の「苗半作(なえはんさく)」という言葉があるくらい、苗づくりは非常に大切な工程です。農家やJAは細心の注意を払いながら、毎年、苗づくりに挑みます。

苗づくり

2

Preparation for Rice Planting

田植えの準備

 トラクターなどで田んぼの土を掘り起こして稲が育ちやすい土壌をつくる「耕起(こうき)」を行い、「畔(あぜ)塗り」といって田んぼに貯める水が漏れないように、田んぼを囲う土壁に、田んぼの泥を塗ってヒビや穴を防ぎます。そして、稲が均一な条件で育つよう、田んぼに水を張り土を柔らかく平らにし、水の深さも均一にする代掻きを行います。

田植えの準備

3

Rice Planting

田植え

 昔は苗を一つひとつ手で植えていましたが、今は田植え機を使います。稲の品種やその土地の気候を見定めて、ベストなタイミングを農家が判断して作業を行います。

田植え

4

Management of Rice Field

田んぼの管理
(除草・追肥など)

 田んぼの管理で大事な作業の一つが除草です。稲を成長させ、豊かな収穫を迎えるためには、雑草は大敵となります。田んぼには除草剤を散布し、畦(あぜ)では草刈りを行います。また、肥料を定期的に田んぼに追加する作業も稲が元気に育つために必要です。

田んぼの管理

5

Rice Harvest

稲刈り

 田んぼが稲穂で黄金に輝くと収穫が始まります。コンバインなどの農機具が用いられ、稲穂を刈り取って籾を分離します。

稲刈り

田んぼで働く生きもの

Creatures Working in the Rice Field

ミミズ

ミミズ

Earthworm

 土を食べながら土を耕し、フンを排出することで土を肥やしてくれます。また、田んぼの表面にトロトロ層をつくり雑草の発生を抑えます。

カエル

カエル

Frog

 ミミズなどを餌にするカエルは、稲や田んぼに集まる害虫を駆除してくれます。また、カエルやトンボを餌にする水鳥を田んぼに呼び込みます。

水鳥

水鳥

Waterfowl

 水鳥はカエルを餌にします。そのため、水鳥が飛来すると土中のミミズが増えて田んぼの土の活性化が進みます。

*田んぼは、他にもトンボやゲンゴロウなどたくさんの生き物を育み、
それらに力をもらいながら稲が育ちます。

お米づくりをサポートする人達 お米づくりを サポートする人達

People who Support Rice Farming

農機具を考える人、提供する人

農機具を考える人、
提供する人

People who come up with and
provide Farm Equipment

 米農家が使用するさまざまな農機具は、農機メーカーなどが研究や開発、製造を行います。それぞれの農機具には作業の効率化に向けた技術が結集されているのです。近年は除草剤散布に使用するドローンをはじめ、水田管理にICTを活用した水田管理の導入など、田んぼも近代化しています。また、適した農機具を農家に提案して提供する人も稲作の維持には欠かせません。

栽培技術指導員

栽培技術指導員

Cultivation Technical Instructor

 その土地の気候や育成状況をみて、栽培技術指導員が農家と一緒になって美味しい米づくりを考えます。

お米の品種を改良する農業試験場の研究者

お米の品種を改良する
農業試験場の研究者

Researcher of
Agricultural Experimental Station

 現在日本で栽培されているお米の品種は270種以上です。これほど多くの種類があるのは、「もっとごはんを美味しく」という日本人の思いの表れといえます。研究者はさまざまな品種を交配・選抜し、地域条件や食味の趣向に適したお米を何年もかけて生み出します。

収穫後のお米の行方

Whereabouts of
Rice after Harvest

1

Paddy Rice Storage

籾米の貯蔵

 農家がつくった籾米は地域の共同乾燥調製施設であるカントリーエレベーターなどに運ばれます。保存に適した水分量になるよう温風で乾燥させたのち、品質を一定に保つためコンピューターで温度管理をするサイロという円筒形の倉庫に貯蔵します。

籾米の貯蔵

2

Paddy Rice to Brown Rice

籾米から玄米へ

 出荷の際には、必要な分だけサイロから籾を取り出します。籾摺り機で籾殻を取り除き玄米に調製してから、玄米を保管する低温倉庫へと移します。

籾米から玄米へ

3

Brown Rice to Polished Rice

玄米から精米に

 玄米の表面には茶色い糠の層があります。この層を取り除き精米にするのが搗精(とうせい)作業です。精米にすると、炊くと甘くて柔らかい食べやすいごはんになります。糠の層には豊富な栄養価があるので玄米のままで炊いて食べる人もいます。

玄米から精米に

お米の品質を守る人達

People who Protect Rice Quality

お米を管理する人

お米を管理する人

Person who Manage Rice

 お米を保管する倉庫では品質を維持するために、保管管理を徹底しています。お米ほ保管する倉庫では品質を維持するために、保管管理を徹底しています。

お米を運ぶ人

お米を運ぶ人

Person who Carry Rice

 お米を保管している倉庫から各所に昼夜を問わずトラックで運ばれます。フレキシブルコンテナの活用で物流、保管の効率化を図っています。
 また、パレット輸送を行うことで荷下ろしの時間短縮や手積みや手下ろしの労力を軽減します。

4

Bagged Commercialize

袋詰めして
商品に

精米を袋詰めすると、2㎏や5kg、10kgの製品になります。

袋詰めして商品に

お米の主な販売先

Destination of Rice

スーパーマーケットなどの販売店へ

スーパーマーケットなどの
販売店へ

Stores such as Supermarket

 袋詰めされたお米は、スーパーマーケットや米穀店で販売されます。近年では、インターネットのECサイトなどからも購入できるようになっています。

各種ごはん料理や商品に

各種ごはん料理や商品に

Rice Dishes and Rice Products

 精米はスーパーマーケット以外にもさまざまな場所に届けられます。例えば、外食事業を展開する企業や、パックごはんなどの加工品をつくる工場などです。おにぎりやお寿司、チャーハン、リゾット、お粥など、さまざまな調理方法や味付けを料理人や商品開発者が考案します。

日本のお米は海外へも

日本のお米は海外へも

Also Go Abroad

 国内だけではなく、海外でも日本のお米は人気が高く世界各地に輸出されます。

お米がついに我が家に! さあ、みんなで「いただきます!」 お米がついに 我が家に! さあ、 みんなで「いただきます!」

Have a Nice Meal!!